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イーグルスの『テイク・イット・イージー』
Take It Easy/Eagles



いろいろとストレスの多い社会だからこそこの曲について書いておきましょうかね。
イーグルスの『テイク・イット・イージー』ね。
僕の座右の銘はまんまテイク・イット・イージーです。まさに人生の一曲。
こいつァ紹介せざるを得ない、ってなもんです。


この曲はイーグルスが1972年にリリースしたファースト・アルバムの一曲目を飾る名曲です。



イーグルスの1stアルバム『Eagles』


ジャクソン・ブラウンと、イーグルスのグレン・フライの共作として知られています。
実質的にはジャクソン・ブラウンの曲なんですが、彼が二番の歌詞をどうしようか迷っていたところ、グレン・フライが少しだけ歌詞を提供したらしいです。そしたら、クレジットにグレンの名前を載せてくれたのだとか。

そんな『テイク・イット・イージー』は初期イーグルスの代名詞的な存在であり、70年代のウエスト・コースト・ロックをイメージづける非常に重要な曲だと言えます。
爽やかなギターと豊かなハーモニー、疾走感のある(曲が速いというわけではない)展開は何度聴いても心にグッ、とくるものがある。

歌詞のほうはとてもシンプルで、「気楽に行こう」「できるかぎり明るくいこう」と落ち込んでいる気分を癒してくれるような前向きな仕上がりとなっている。
聴いたばかりの頃の僕は、これをただ脳天気で楽天的な歌だと認識していました。
だけど、よくよく聴いてみるとそう一筋縄ではいかない内容を含んでいるように思える。

イーグルスが生きた時代は激動の時代です。
60年代が終わってもまだベトナム戦争は続き、アメリカ社会は失望と不満が渦巻いていました。
そんな時代背景の中、その音は爽やかで軽快な音づかいで、世に蔓延る沈んだ空気を振り払おうかとするようにイーグルスは「気楽に行こう」と歌いました。
そこにはいくらかの陰りが見られ、自分に必死に言い聞かせるかのように思えてならないのです。

なのに、どうしようもなく落ち込んだ時にこの曲を目を閉じて聴いていると「つらいこともあるだろうけど、できるかぎり前向きに生きよう」という切実なメッセージが、純粋に僕らの心に深く染み込んできます。
一見、美しく鮮やかなのだけれども、どこか感傷的なものが含まれている。
この兼ね合いが僕はたまらなく好きなのです。

ですから、落ち込んだ気分のときや、寂しく孤独に打ち震えているときこそ、この曲を聴いてほしいと思います。
きっと心に響くはずです。



<歌詞>

Well, I'm running down the road
tryin' to loosen my load
I've got seven women on my mind,
Four that wanna own me,
Two that wanna stone me,
One says she's a friend of mine

俺は道を駆け下り
苦しみを振り払おうとしている
思い浮かぶのは七人の女
四人は俺を束縛し
二人は俺に石を投げ
一人はただの友だちさ


Take It easy, take it easy
Don't let the sound of your own wheels
drive you crazy
Lighten up while you still can
don't even try to understand
Just find a place to make your stand
and take it easy

気楽に行こうぜ、気楽にやろうぜ
自分の運命に翻弄されるな
できるかぎり明るくいこう
そうむずかしく考えるな
自分の踏みとどまる場所を見つけろよ
気楽にいこうぜ


Well, I'm a standing on a corner
in Winslow, Arizona
and such a fine sight to see
It's a girl, my Lord, in a flatbed
Ford slowin' down to take a look at me

俺はアリゾナのウィンスローに来ていて
良い景色を眺めていた
フォードに乗った一人の女の子が
俺を一目みようとスピードを落とした


Come on, baby, don't say maybe
I gotta know if your sweet love is
gonna save me
We may lose and we may win though
we will never be here again
so open up, I'm climbin' in,
so take it easy

こいよベイビー、はぐらかすなよ
もしお前の愛が俺を救うのなら
確かめたいんだ
イチかバチかやってみよう
ここには二度と戻らないが
だから開けてくれ、俺を入れてくれ
さあ、気楽に行こうぜ


Well I'm running down the road
trying to loosen my load
got a world of trouble on my mind
lookin' for a lover who won't blow my cover
she's so hard to find

俺は道を駆け下り
苦しみを振り払おうとしている
頭の中は困惑だらけ
俺を優しく包んでくれる恋人は
そう簡単に見つかるものじゃあない


Take it easy, take it easy
don't let the sound of your own
wheels make you crazy
come on baby, don't say maybe
I gotta know if your sweet love is
gonna save me, oh oh oh

気楽に行こうぜ、気楽にやろうぜ
自分の運命に翻弄されるな
来いよベイビー、はぐらかすなよ
もしお前の愛が俺を救うのなら
確かめたいんだ


Oh we got it easy
We oughta take it easy

気楽に行こうぜ
気楽に行くのが一番さ




誤訳がある気がする
そこのところは気にしないでおこうぜ、である。